ノンリニアビデオ編集入門



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「ノンリニアビデオ編集」とは?
 一般的に、ノンリニアビデオ編集とはパソコンに動画を取り込んで編集することを指します。 ノンリニアビデオ編集の良さは、なんといっても編集のやり直しが簡単にできることです。

 私は大学時代から映像作品を制作してきましたが、 当時はそんな環境にはなく、ビデオデッキ同士をつないでリモコン片手に「3・2・1」と編集していました。 当然、やり直す必要が出た場合は、最初からすべてやり直しです。 編集している時、私ははっきり言って発狂していました。

 一方ノンリニアビデオ編集では、ユーザーが動画編集ソフトウェア上でシーンのつなぎ方や映像効果等の編集方法を指定し、 肝心の作品はその指定通りにパソコンが勝手に作成してくれます。 よって、変更箇所のみを修正すれば、あとはまたその指定通りに勝手にパソコンが作品を作ってくれます。 さらに様々な映像・音響効果も簡単に加えることができます。 以前は数百万円もかけなければ出来なかった様々なエフェクトがわずか10数万円の投資で可能になったのです。 しかもデジタル形式で保存するので映像が劣化することもありません。 なんと良い時代になったことでしょう。 今や、ほとんどの「アマチュア映像作家」といわれる人達は、ノンリニアビデオ編集で作品を制作しています。



おおまかな手順
ノンリニアビデオ編集で作品を制作する際のおおまかな手順は以下のようになります。
  1. ビデオカメラ等から映像をパソコンに取り込む。
     このことをキャプチャーと言います。

  2. 動画編集ソフトウェアを使用して、キャプチャーした動画を編集する。
     シーンのつなぎ方や映像効果等の編集方法を指定します。

  3. 動画編集ソフトウェアを使用して、作品を作成する。
     指定通りに勝手にパソコンが作品を作ってくれます。

  4. 完成した作品を発表できる形式に変換する。
     デジタルビデオに戻す、DVDビデオやVideo-CDにする、ビデオテープにダビングする等。

必要な機材
主に必要な機材は以下の通りです。

ビデオカメラ  できればデジタルビデオカメラ(DVC)が望ましいです。 IEEE1394インターフェースを通してパソコンと動画データをやりとりすれば、デジタル信号のまま扱えますから、 ほとんど劣化しません。 パソコンで作成した作品をIEEE1394インターフェースを通してデジタル信号のままデジタルカメラに保存する事もできます。 SONY・松下・ビクター・キヤノン等が間違いないでしょう。
 画質を優先すれば、ハイビジョン・3CCD搭載機が良いでしょう。

HD(ハイビジョン)は、解像度に何種類かあり、注意が必要です。

名称 インタレースorプログレッシブ 解像度
720p プログレッシブ 1280×720
1080i インタレース 1920×1080*


*1440×1080サイズで記録し、横方向を延ばして1920×1080で表示する機種もあるので、注意が必要です。 いずれも、従来のSD(標準)サイズ(720*480)から大幅に解像度が向上しています。

CCDとはレンズから入った光を電気信号に変換する素子の事で、 それを3原色それぞれに割り当てたのが3CCDです。 プロ用では当たり前の技術でしたが、SONY・松下・キヤノンが民生用にも搭載しています。 欠点は光を3原色に分ける必要があるため、プリズム等の光学系がスペースをとってしまい、 カメラ本体が大きくなってしまう事です。こだわり派にお薦めです。  最近では単板カメラ(1CCD)でも、CCDの画素数を上げて3CCDに迫る画質を実現している機種もあります。 WEB上でもハード評価を行っているところがいくつかありますから それを参考に、実際に電気屋さんで手にとってみるのが良いでしょう。




しかしあえて私はメーカーに苦言を申したい。 レンズの画角が狭すぎる! せめて30mm相当の画角が欲しい。 ズームレンズの倍率ばかり宣伝しているが、 「ああもっとワイドに撮りたい!」と思うことはよくあるが、 「ああもっとズームしたい!」と思うことはほとんどない。 しかたなくワイコンをつけて使用しているが、 容積がかさばって仕方がない。 お願いだから、もっとワイドに撮れるレンズをつけてくれ! (しかし現状では出そうにない。三脚・ワイコンは必須アイテムと心得るべし)
パソコン これがないと始まりませんよね。最近は自作するより一式購入する方が安いです。 IEEE1394インターフェースやアナログキャプチャー機能等のAV入出力機能を備えた、なるべく大容量なハードディスク(最低でも40GB)のものが望ましいです。 動画編集ソフトウェアが付属している場合も多いので、それも考慮に入れてください。 DOS/Vパソコンならメーカーにこだわっても意味がありません。 メモリーは最低512MB、標準では1GBは欲しいです。 CPUは高速な方が処理は早いですが、あまり気にする必要はありません。 ただし、アナログキャプチャーする際のエンコードをハードウェアではなくソフトウェアで行う場合、 CPUによって制限がつく場合があります(くわしくは ビデオキャプチャーの章を参照)。 また、作成した作品をCD-RやDVD-Rに保存することが多いと思いますから、DVD-R搭載モデルを選びましょう。
ビデオキャプチャー機器 VHSや8mmなどのアナログビデオからキャプチャーするならアナログキャプチャーボード(最近はUSB接続のものも増えています)、デジタルならIEEE1394接続ボード等が必要です。 最近のパソコンにはIEEE1394端子は付いていることが多いです。

アナログキャプチャーボードは、数年前はMotion Jpeg形式のキャプチャーボードが主流でしたが、最近はMPEG2形式のキャプチャーボードが主流です。 カノープス社の製品が定番ですが性能の分価格も相応ですが、最近価格がお求め安くなってきました。他に アイオーデータやNECには安くて手軽な製品もあるようです。 メーカーにこだわらなければ、台湾製等では7千円前後であります。今や台湾や韓国製はグローバルに通用しています(パソコンパーツのほとんどは台湾製だということをお忘れなく)。 雑誌でよく特集されてますから、それらを熟読すればよいと思います。地方の方でも、秋葉原のパーツショップは通信販売も盛んですから、そうしたサイトで注文すればOKです。



動画編集ソフトウェア  動画のキャプチャーから編集・作成まで行えます。 定番はpremiere, MediaStudio, VideoStudioというところでしょうか。 本格的なものは10万円程度したりしますが、ほとんどの場合、数万円のもので十分です。

 また不便を承知であれば、すべてフリーソフトで実現することも可能です。使い勝手は商用ソフトにはかないませんが、 商用ソフトにはない機能があったりもします。








ビデオキャプチャー
 映像をパソコンに取り込むことをビデオキャプチャーと言います。
 TVの解像度は640×480です。さらにDVDやデジタルビデオでは720×480です。 (さらにさらにハイビジョンになりますと、記録上のサイズはもっと大きくなります。) SD画像1コマの画像を圧縮せずにそのまま記録すると、その容量は約900KBです。 映像は一秒間に30コマありますから、一秒で約27MB、一分で約1.6GBにもなります。 これではいくらハードディスクがあっても足りません。 そこで様々な圧縮方式でデータを圧縮して記録する事になります (詳しくは コーデックの章に譲ります)。

 現在市販されているキャプチャーボードは、大別すると以下のようなものがあります。 アナログキャプチャーの場合、640×480のサイズまでキャプチャー可能なものを選択すると良いでしょう。 安価なものには320×240までしかキャプチャー出来ないものがありますから注意してください。 おすすめは、アナログキャプチャーであれば、「Motion Jpegハードウェア圧縮キャプチャーボード」、 または「MPEG2キャプチャーボード」(ハードウェア・ソフトウェア両方)です。 デジタルキャプチャーであれば「IEEE1394インターフェースボード」です。

主なキャプチャーボードの種類
IEEE1394インターフェースボード  デジタルビデオカメラから取り込む際に使用します。 デジタルビデオカメラとデータをやりとりする際はデジタル形式で行うので画質が劣化しません。
MPEG2圧縮キャプチャーボード(TVチューナーボード)  VHS・8mmなどのアナログビデオから取り込む際に使用します。 MPEG2で圧縮率するので、データ量が少なくなり、USB接続でも可能です。 ハードウェア圧縮のものが好ましいでしょう。





コーデック
 コーデックとはファイルの圧縮・復元の形式のことです。
映像は一秒間に30コマありますから、圧縮せずに記録すると、 ハードディスクがすぐに満杯になってしまいます。 そこで様々な圧縮方式でデータを圧縮して記録する事になります

 一般にファイルの圧縮形式には可逆圧縮と非可逆圧縮があります。 可逆圧縮は復元すれば、完全に元のデータに戻りますが、 非可逆圧縮は、圧縮する際に情報を落として保存するため、復元しても元の情報通りにならず、 必ず劣化します。 動画は大容量になるため、非可逆圧縮が一般的です。
 以下に主なコーデックの種類についてまとめました。参考にしてください。


主なコーデックの種類
Motion Jpeg 静止画用のJPEG圧縮を動画に応用した圧縮方式で、1コマずつ静止画をJPEG形式で圧縮します(フレーム内圧縮と呼びます)。 ビデオキャプチャボードが搭載するハードウェア圧縮機能としてよく使われています。 圧縮率は任意ですが、JPEG同様1/10程度が実用的です。 一時間の動画データの容量は6GB程度です。 画質も良くコマ毎に独立して扱えるので、一昔前にかなり普及しました。
 使用するにはハードウェア圧縮キャプチャーボードを購入するのが一般的ですが、 CPUの高速化に伴い、ソフトウェアコーデックも登場しています。
DV デジタルカメラから取り込む際に採用されている規格です。 Motion Jpeg同様、1コマずつ静止画を圧縮して保存します。 圧縮率は固定で、約1/5です。 SDでは最も高画質な形式です。
 欠点は圧縮率が低い分、ファイル容量が大きくなることです。 30分で7GB程度にもなります。

SDにしか対応していません。
MPEG1 前のコマからの差分をJPEG形式で圧縮します(フレーム間圧縮と呼びます)。よってMotion Jpegよりも圧縮率は高いです。 Video-CDで採用されている圧縮技術で、CD-ROMを想定した1.5Mbps程度までのメディアに最適化されています。 画面サイズは355×240までですから、640×480サイズの動画には使えませんが、 画質の割にファイル容量を節約できるので、CD-ROMに収める形式として普及しています。 CD-ROMであれば、一時間程度の動画を収めることができます。 ほとんどのパソコンで再生(デコード)が可能です。 ほとんどの動画編集ソフトウェアにはエンコード機能が付いていますが、 定番は掘氏が作成したフリーソフトウェア、 TMPG Enc です。エンコードに時間がかかるのが難点ですが、このソフトのエンコード画質は素晴らしいの一言です。 さらにMPEG2エンコードにも対応しています。

 欠点は前のコマからの差分を保存するので、コマ毎に独立して扱えない点です。 よって編集には不向きです。 もちろん不向きなだけで、対応しているソフトウェアを用いれば編集はできます。

SDにしか対応していません。
MPEG2 MPEG1をベースに高画質化を図った規格で、放送品質の画質を実現しています。 デジタル放送やDVDが採用している圧縮形式です。 Windows上では、標準でMPEG2の再生を行う事は出来ません。 MPEG2ファイルを再生(デコード)するには、DVDプレーヤーなどの再生用ソフトウェアが必要です。

圧縮(エンコード)ですが、動画編集ソフトウェアにはエンコード機能が付いているのもありますが、 定番は掘氏が作成したフリーソフトウェア、 TMPG Enc です。エンコードに時間がかかるのが難点ですが、このソフトのエンコード画質は素晴らしいの一言です。

 欠点は前のコマからの差分を保存するので、コマ毎に独立して扱えない点です。 よって編集には不向きです。 もちろん不向きなだけで、対応しているソフトウェアを用いれば編集はできます。

SD,HDに対応しています。
MS-MPEG4  MPEG4は動いているオブジェクト毎にフレーム間圧縮するビデオ CODEC です。MPEG2の次世代版です。 画質・圧縮率ともにMPEG2より向上しています。

 MS-MPEG4は、Microsoft社がMPEG-4をベースにして開発したコーデックです。 MS-MPEG4を使用するには、Microsoftが無料配布しているWindows Media エンコーダ 9 シリーズか、Windows Media Player 9 シリーズが必要になります。 これをダウンロードしインストールするとMPEG4コーデックが扱えるようになります。 バージョンがV1、V2、V3とありますが普通はV2を使えばいいでしょう。 V3はMicrosoftがサポートを打ち切ってしまいました。 V2で圧縮したほうが将来性はあるようです。


SDにしか対応していません。
OpenDivx
(MPEG4)
MPEG4をベースにして開発されました。 マイクロソフトが配布しているオリジナルコーデックよりも若干圧縮率は高いようです。 ユーザーも多く、最近ではDVDプレーヤーでも再生可能な機種がほとんどで、現在ではデフォルトといって良い地位を確保しています。 WMVと比較してエンコード時間も短くてすみます。(その分画質は若干劣るようですが)

SD,HDに対応しています。
WMV Windows Media エンコーダ 9 シリーズ
(MPEG4)
 WMVは、Microsoft社が最新のコーデックであるH.264(MPEG4-AVC)をベースにして開発したコーデックで、 現在最も圧縮率の高いコーデックの一つです。エンコードにDIVXの倍以上の時間がかかるのが玉にキズ。 ですが、完成した作品をCD-R等に収録したり、ネット上で公開する際にかなり有用だと思います。 CD-R1枚に、2時間の動画を収めることも可能です(画質はVHS程度ですが)。 WEB上でのストリーミング(ダウンロードしながら再生する)にも対応しています。 ファイル形式(拡張子)はAVIではなく、Microsoft社が提唱しているWMV(Windows Media Video)です。 今後Microsoft社はAVIを見限り、WMVを強力に推し進めると思われます。

映像コーデックに“WMV9”を用いたAVIファイルの作成・編集・再生が可能になる Windows Media Video 9 VCMが公開されました。

SD,HDに対応しています。
x264
(MPEG4-AVCとかH.264とか呼ばれます)
 いま、もっとも話題になっているフリーなビデオコーデックです。 WMV同様、最新のコーデックであるH.264に準拠しています。 WMVが簡易的に準拠しているのに対し、本格的準拠を目指して開発されていますので、WMVよりも若干画質は高いようです。

SD,HDに対応しています。


 実用的なコーデックはMPEG*、Motion Jpeg、DVというところだと思います。 それぞれの特徴を以下に簡単にまとめました。


コーデック推奨サイズ画質 一時間あたりの容量コマは独立か? 拡張子再生(デコード)環境
MPEG1355×240以下普通
(VHSビデオ並み)
約600MB
(Video-CD画質の場合)
×mpgどのパソコンでもOK! Video-CD規格であればDVDプレーヤー等でも再生できる。
MPEG2SD,HD両方良い約2.5GB
(DVD画質の場合)
× m2pデコードソフトウェアが必要(CPUもある程度高速であること。400MHZ以上)
WMVSD,HD両方 良い1GB以下
(DVD画質の場合)
× wmvMediaPlayerが必要(CPUもある程度高速であること)
DIVXSD,HD両方 良い1GB以下
(DVD画質の場合)
× aviDIVXコーデックが必要(CPUもある程度高速であること。500MHZ以上)
X264SD,HD両方 良い1GB以下
(DVD画質の場合)
× mp4x264コーデックが必要(CPUもある程度高速であること。500MHZ以上)
Motion JpegSD以下 良い 約10GB
(DVD画質の場合)

約6GB
(TV放送画質の場合)
aviコーデックが必要
DV720×480(固定)一番良い約12GBaviコーデックが必要







編集の実際
 キャプチャーした動画を編集する場合、動画編集ソフトウェアが必要になります。 動画編集ソフトウェアでは、シーンのつなぎ方や映像効果等の編集方法を指定し、 肝心の作品はその指定通りにパソコンが勝手に行ってくれます。 様々な映像・音響効果も簡単に加えることができ、 TVや映画で見られるほとんどの効果が実現できます。 以下に主なものをまとめました。ほとんどの機器にはVideoStudioが添付されていますから、 まずはそれを使いこなすことから始めると良いと思います。 「すぐ始められるビデオ編集!」などと広告ではうたっていますが、 実際は結構煩雑です。わかりやすい入門書を購入すると良いと思います。 ここではこれ以上触れません。あしからず・・・。

実際に私が撮影や編集する際に気を付けている点をメモしました。 でもいつも守れていません・・・。 「俺って才能ないんだなあ」というのを確認するために作品をつくるようなものです。
  • ズームはなるべく使用しない。
    アマチュアの映像で閉口するのはブレまくったズーム映像です。メーカーもやれ何倍だと煽っていますが、私自身はいつもワイドコンバーターレンズを使用し、より広角に撮る方を重視しています。「ああ、もっとズームしたい!」と思ったことはほとんどありません。ズームするくらいなら広角のまま被写体に近づきます。映像も安定するし、立体感が違います。

  • 音質も重視する
     最近はTVでも民生用のビデオカメラで撮影した映像を良く目にしますね。画質は、さすがにプロ用機器に比べると落ちますが、 ちょっと見ただけでは差が感じられない程まで近づいていると感じます。しかし、明らかに違うのは音質です。 ビデオカメラに内蔵された貧弱なマイクの音は、せっかくの美しい映像を台無しにしてしまいます。メカノイズも拾いますし。 面倒くさがらず、外部マイクを使えば良いのです。SONYやオーディオテクニカにとても良い製品があります。

     昔は1万円以下のワンポイントステレオマイクでも、アイワ、ソニー、オーディオテクニカあたりに良い製品がいっぱいあったのですが、なぜか最近はぱったり見かけなくなりました。 今の2万円以下の製品は、音質的には昔の8千円のものに劣ります。 周波数特性に注目するとよくわかります。僕の主観でいえば、周波数特性は50〜15000HZはカバーしておいてほしいのです。 これくらいのレンジが確保されていると、音が貧弱に聞こえることはありません。普通に聞いている分には、TV放送との違いはあまり感じないくらいです。 昔の8千円の製品は50〜18000HZでしたし、音も実際よかったのです。 しかし、今の2万円以下の製品は、ほとんどが100〜15000HZで、低音が弱いのです。事実、音も貧弱に聞こえます。 技術的には枯れたものなのに・・・どうしてでしょうか・・・。

     でも・・・マイクに2万円も払いたくない!という方がほとんどですよね。 1万円代で、小型で使いやすそうなビデオカメラ用ステレオマイクを各社が出しています。 音質は・・・当然内蔵マイクよりは格段にいいわけですから、購入する価値はもちろんあります。 その場合はプラグインパワー方式のものを選びましょう!プラグインパワーとは、マイクの電源をビデオカメラのマイク端子から供給する方式で、 マイク側に電池がいらないのです。つまりマイクに電源スイッチがないのです! 電池切れやマイクのスイッチの入れ忘れは、よくあるトラブルのひとつです。私も何度も経験しました。 みなさん、プラグインパワー方式を選びましょう!

     しかし、いつも外部マイクを使うわけにはいきませんよね。購入する時、内蔵マイクの音もチェックすると良いと思います。 私のカメラ、パナソニックのDJ100はSONYの同等品よりとてもマイクの音が良くて重宝しています(SONYさん、マイクメーカーの名が泣きますよ)。 マイクに詳しい人はあまりいないでしょうから、僕のお薦めを載せておきます。

    周波数特性20〜20000HZを誇る超高性能ステレオマイクです。しかもその特性は20HZから20000HZまで理想的なまでにフラット! 驚くほど高音質で収音でき、私も愛用しています。音質を優先するならこれで決まりです。 ビデオカメラ用シューアダプターと短いケーブルが付属していますので、簡単に取り付けられます。 欠点は少し大型で使いづらいことぐらいですが、それを上回る満足ある音が収録できます。 単3電池使用で、プラグインパワーではありません。
    左右2個のユニットだけでなく軸中央方向にもユニットを配置して音の中抜けを防ぐ、MS方式ステレオマイクです。 周波数特性は50〜18000HZです。音質はAT822より劣りますが、小型で使いやすいでしょう。 ちなみにこれより低いランクのSONYのMS方式のマイクは音質を期待しない方が賢明です。 音質が普通のステレオマイクよりかなり劣るからです。 単3電池使用で、プラグインパワーではありません。
    プラグインパワー方式で電池が必要ないワンポイントステレオマイクです。 つまり電池切れやマイクスイッチの入れ忘れなどのトラブルがありません。 また、かなり小型で、持ち運びに便利そうです。 周波数特性は100〜15000HZです。可もなく不可もなく・・・というところでしょうか。 しかし、この形状は得点高いと思います。常時セットできると思いますね。 ここまでくると、ついでにアクセサリーシューの中にマイク端子を入れてしまえば、マイクコードがブラブラしなくていいと思うのですが・・・。
    ついに出ました!アクティブインターフェースシュー対応でコードがブラブラしないマイク!4つのマイクカプセルと新開発のアンプにより、立体感あふれるサウンドとうたっていますが・・・音質は・・・まあ値段なりでしょうね・・・。ソニーの対応カメラにしかつけられません・・・。
    同じくアクティブインターフェースシュー対応でコードがブラブラしないガンマイクです。でもやはり・・・音質は・・・まあ値段なりでしょうね・・・。ソニーの対応カメラにしかつけられません・・・。

    AIWA
    CM-DS6
    定価6,090円
    MS方式ステレオマイクながら、周波数特性は50〜18000HZという超高コストパフォーマンスモデルです。 ソニーの廉価な製品ではECM-MS908Cというのがありますが、希望小売価格12,600円なのに、周波数特性は100〜15000HZです。 マイクに定評のあるAIWAならではの製品!どことなく昔の名機CM-30を思い出させます!(私の愛器でした)しかし、残念なことに、ビデオカメラ用ではなく、アクセサリーシューに取り付ける部品がないこと。 まあ小型だから使うときだけテープで止めるなど、工夫できるとは思いますが・・・。 ビデオカメラ用にアレンジして発売してくれれば、これが決定版になること間違いなし! AIWAさん、お願いだからビデオカメラ用を出してくれぇ! 単4電池使用で、プラグインパワーではありません。

    オーディオテクニカ
    AT9450
    定価7,800円
    周波数特性は50〜18000HZという高コストパフォーマンスモデルです。 普通のユーザーならこれで十分でしょう。僕の友人のオカルト岡本君が愛用しています。僕も使わせてもらいましたが、この価格でこの性能なら満足です! (追記)生産終了になってしまいました!(泣)


  • 編集とは使えるシーンを拾う作業ではなく、無駄なシーンを捨てる作業である。
     苦労して撮影したシーンはなるべく捨てたくありませんよね。でも心を鬼にして、どんどん削っていきましょう。 あれもこれもと詰め込むと、見ていて疲れる作品が出来上がるだけです。 黒澤明も言っています。編集は捨てる作業だと。

  • 音で説明しない。映像で説明する。
      プロの作品を、音を消して見てみてください。音がなくてもあらすじが追えるはずです。 ナレーションやセリフは、映像を従属的に補完するべきものです。しかし、分かっていても難しいです・・・。 映画はサイレントからはじまったおかげで、様々な技法が生み出されました。 トーキーになり、安直にセリフで説明する作品が増えたのです。 そこに登場したのが黒澤明の「羅生門」です。 サイレント映画の技法を斬新に取り入れた映像が世界に衝撃を与えたのです。

  • とにかくプロの作品を真似してみる。
      力のある監督は、やはり力のある監督の助監督からスタートしています。 助監督になったつもりで、プロの作品を真似すると、やはり学ぶところが多いです。 それを繰り返していくと、だんだん自分にしっくりくる手法が身についてきます。




作品を作成する
  編集が終了すれば、あとはその指定通りに勝手にパソコンが作品を作ってくれます。
  デジタルビデオがあれば、IEEE1394インターフェースを通してデジタルビデオカメラ等に保存できます。
圧縮率の高いMPEG2かMPEG4コーデックを用いれば、高画質かつ容量の比較的少ないファイルを作成できます。
  いずれにしろ、マスターとしてそうした高画質なファイルを作成するのは当然ですが、 配布したり保存するとなると、様々なメディアに収める必要があります。以下に主な選択についてまとめました。

メディア 容量 推奨コーデック 長所 短所
DVC(デジタルビデオカセット) 90分(180分) DV SDビデオを最も高画質で保存でき、かつ安価です。 デジタルビデオカメラ&デッキでしか再生できません。
HD-DVD, Blue-ray 30GB〜50GB MPEG2,WMV, H264 現在最強の保存メディアでしょう! 特になし
DVD-R 4.7GB MPEG2,MPEG4, WMV, H264 価格も安くなりました。DVD形式で保存すればDVDプレーヤーでも見れます。 SDなら高画質でも2時間程度保存できますが、HDはH.264でも1時間が限度です。
CD-R 700MB MPEG1 QVGA程度の解像度なら1時間程度保存できます。大抵のパソコンで再生できます。 Video-CD規格なら多くのDVDプレーヤーや専用のプレーヤーでも再生できます。 画質はVHS程度です。
MPEG4,WMV, H264 SDでSVHS程度の画質であれば、2時間近く保存できます。画質はMPEG1より良いです。 画質はS-VHS程度です。 パソコンでしか見られません。
 

マスターはDVCに保存し、配布はCD-R、DVD-Rで行うのが妥当な選択だと思います。

 CD-Rで配布する場合、MPEG1かMPEG4が実用的です。

 MPEG1はVideo-CD規格でCD-Rを作成すればDVDプレーヤー等でも見られます。 Video-CDとVHSは同程度の画質(水平解像度240本程度)ですが、 劣化しませんからCD-Rの方が良いと思います。 ちなみに、地上波TV放送の水平解像度は300本程度ですから、 地上波レベルの動画であれば、Video-CD程度の画質でも十分と言えます。 掘氏が作成したフリーMPEG1エンコードソフトウェア、 TMPG Encを用いれば、 かなりの画質で保存できます。 このソフトのエンコード画質は素晴らしいの一言です。 一押しのソフトです。他のどの有料ソフトよりも優秀です。 さらにMPEG2エンコードにも対応しています。

 MPEG4、WMV、H264はDVD並の画質でCD-Rに1時間以上記録できますから魅力的ですが、 MediaPlayer等対応するコーデックがインストールされているパソコンでしか見られません。

 DVD-Rで配布する場合、DVD形式で保存すればDVDプレーヤーでも見られます。

  力作が完成したら、せっせと配布して、友人達をうならせてやりましょう!



便利なツール達
 ここでは私が愛用しているフリーなツールを紹介します。


ツール名 おすすめポイント
PICVIDEO Motion JPEG Motion Jpegのソフトウェア リアルタイムコーデックです。 しばらくの間フリーでしたが、有料化されたようです。 性能は優秀でお勧めです。
Windows Media Player 9 シリーズ
Windows Media エンコーダ 9 シリーズ
Windows Media Video 9 VCM
マイクロソフトがフリーで公開しているツールです。 マイクロソフトが開発したコーデックである、WMV(ビデオ)、WMA(オーディオ) がパックされています。 圧縮率も優秀で、かつ、単に動画圧縮ファイルを作成するだけではなく、ストリーミングメディアとしても利用できるのが特徴です。
TMPG Enc AVI形式のデータをMPEG形式に変換するMPEGソフトウェアです。 エンコードに時間がかかるのが難点ですが、このソフトのエンコード画質は素晴らしいの一言です。 さらにMPEG2エンコードにも対応しています。
OpenDivx(MPEG4) MPEG-4をベースにして開発されました。 ユーザーも多く、最近ではDVDプレーヤーでも再生可能な機種がほとんどで、現在ではデフォルトといって良い地位を確保しています。 WMVと比較してエンコード時間も短くてすみます。(その分画質は若干劣るようですが)
x264
(MPEG4-AVCとかH.264とか呼ばれます)
いま、もっとも話題になっているフリーなビデオコーデックです。 WMVよりも若干圧縮率は高いようです。
AviUtil フリーの簡易編集・フィルターソフトウェアです。 本格的な編集はできませんが、魅力は豊富なフィルター群です。 賛同する様々な方がフィルターを公開しています。 3次元ノイズ除去フィルターから、なんとウェーブレット・ノイズフィルタまであったりします。 ダビングを繰り返して劣化してしまったアナログビデオ等をパソコンに取り込んでノイズを除去したりすることができ、 私も愛用しています。





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