ロッカー永田がおすすめする映画

僕は自分で監督したこともあり、映画には並々ならぬ情熱を持っています。皆さん、ここに挙げられた映画、一本でもみたことありますか?

 

7人の侍:黒澤明

文句なく、世界映画史上まれに見る傑作。映画の持つ魅力を余す所なく引き出す事に成功した、壮大な叙事詩。全映画人の教科書的存在。

東京物語:小津安二郎

日本が輩出した最大の巨匠。映画100年の歴史上最も重要な監督の一人。世界中の映画人に研究されているが、真似出来た監督はいない。常に家族の崩壊をテーマとし、64本もの作品を残した。珠玉の名作揃いである。「東京物語」は彼の最高傑作。ほとんど奇跡である。

2001年宇宙の旅:キューブリック

SFの最高峰。人類を導く高次の存在を前衛的手法で描く。映像に酔いしれる、とはこの事。

処女の泉:ベルイマン

娘を犯され、殺された父親の復讐と神の救済。全編に貫かれた、清らかなまでの緊張感、そしてあまりに荘厳なラスト。それは、映画が映画を越える瞬間。

山椒太夫:溝口健二

森鴎外で有名だが、溝口は原作を古典に求めた。宮川一夫の流麗なカメラワークと溝口のリアリズムに徹した演出は、ヨーロッパに多大な影響を与えた。

赤ひげ:黒澤明

黒澤最後の白黒映画。まさに完璧な作品だ。原作者の山本周五郎をして、「俺の小説より面白い」と言わしめた。

道:フェリーニ

映像の魔術師と呼ばれたフェリーニ。ここではリアリズムに徹し効果をあげた。本物の愛を信じる女と、受け入れられない男の悲劇。

黒い雨:今村昌平

原爆の悲劇を抑えた演出で淡々と描く。今村は前作「楢山節考」に続いてカンヌ連続グランプリが期待されたが、惜しくも逃した。

サクリファイス:タルコフスキー

ソ連から亡命したタルコフスキーの遺作。核時代の人類の救済を担った老人の心象風景。冷たく美しい映像詩。

ざくろの色:パラジャーノフ

映画大学でタルコフスキーと同期だったパラジャーノフ。あえて亡命せず、投獄されながら、故郷グルジアの民族伝承を、妖しく、そして荘厳に蘇らせた。

ツィゴルネルワイゼン・陽炎座・夢二:鈴木清順

生死の境界に足を踏み入れた主人公を幽玄な世界が幻惑する。市川昆をさらに先鋭化したような独特なカットが耽美的な映像美を醸し出す。3部作の中でも「陽炎座」が秀逸。

紅いコーリャン:チェンカイコウ

今、世界の映画をリードしているのはアジアだ。「紅いコウリャン」はアジア映画の「羅生門」とたとえる事も出来よう。封建時代に生きる人々を重厚に描く。

切腹:小林正樹

武家社会の不条理さを、社会派の巨匠が残酷なまでに描く。

椿三十郎:黒澤明

御家騒動を解決する浪人の活躍を痛快に描く。黒澤自身が楽しみながら作ったという最高の娯楽作品。

風の谷のナウシカ:宮崎駿

アニメも入れとかないとねー。これは解説いらないでしょう。

うる星やつら2・ビューティフル・ドリーマー:押井守

押井守の最高傑作だと、僕は思う。このカタルシス・・・。

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