長岡鉄男追悼企画

スーパースワミンゴの製作



スーパースワミンゴは長岡鉄男氏の逝去をきっかけに取り組んだ大作である。 長岡鉄男氏は魑魅魍魎が跋扈するオーディオ評論界に、 明快な視点で切り込み、多くのファンを惹きつけた。 また数多くの自作スピーカーを発表、 メーカー製では聴けない異次元のサウンドを提示し、 長岡教信者を全国に増殖させていった。

そんな長岡鉄男氏の代表作といえば、 やはり、 10cmフルレンジで実現できるダイナミックレンジと周波数レンジの限界に挑戦した、 スーパースワンであろう。 長岡氏自ら大成功と公言するこの作品は、 オーディオ界にとどまらず、各界から賞賛されている。 長岡氏のお通夜でも、葬送曲を奏でていたのはスーパースワンであった。

さて、本作「スーパースワミンゴ」は、 長岡鉄男氏の代表作、スーパースワンとスーパーフラミンゴを合体させた夢のスピーカーである。 基本はスーパースワンだが、 ヘッドを交換することにより、 スーパーフラミンゴに変身したりする。よってスーパースワミンゴと命名。 また、FE167が余っていたので、ついでにそれも製作。 こちらは少々おこがましいが「モア」タイプと言える。 つまり本作「スーパースワミンゴ」とは、 1台で「スーパースワン」「スーパーフラミンゴ」「モア」3台分機能するという、 長岡氏の業績を振り返る記念碑的な作品なのである。



 

  設計コンセプト
 設計はスーパースワンタイプを重視しているが、オリジナルとはかなり違う設計である。 オリジナルとの一番の違いは、中央のデッドスペースがないこと。 スペースファクターを重視したため。4畳半での使用が前提なのだ。 (本体上部に鉛ブロックでも置けば良いと考えた)
またスーパースワン(長岡氏のオリジナル)は、ホーンとしては滑らかでないつながりをしている部分があり、 そこはなめらかになるように修正した。
 フラミンゴタイプではホーン入り口の断面積が合わない。 そこで、ヘッドに音道を付けることにより解決している。 またオリジナルよりも、音道の長さ、開口面積ともに大きくなっており、 ホーンの効果向上が期待される。
 モアタイプはそうした工夫は不可能なため、特に細工はしていない。






  音は@〜Dの順番に伝わる。



 

長岡鉄男氏のオリジナル仕様
  スーパースワン スーパーフラミンゴ
空気室 1.9l 1.2l
スロート入口 42cm^2 22cm^2
スロート出口 357.5cm^2 196cm^2
ホーン長 245cm 253cm


スーパースワミンゴ
  スワンタイプ フラミンゴタイプ
空気室 1.9l 1.2l
スロート入口 42cm^2 22cm^2
スロート出口 357cm^2 357cm^2
ホーン長 270cm 330cm

 




  長岡鉄男オリジナルのホーン断面図(幅を10cmとした場合のホーンの高さ)






  スーパースワミンゴのホーン断面図(幅を10cmとした場合のホーンの高さ)





 

  板取りの一部。いままでで一番量が多い。



 

  出たア!ハタガネ。オゾンに借りた。



 

  本体の音道。



 

  おいおいラッパにして遊ぶなよ。



 

  上から本体の音道を見る。フラミンゴ2を拡大させたようなもの。



 

  上部と接着。木工ボンドは大目に。



 

  ガムテープで仮留め。



 

  本体完成!上部穴から声を出すと、ホーンの反響が分かって面白かった。



 

  ターミナルをフラミンゴヘッドに取り付ける。



 

  フラミンゴヘッドには音道を付けて、ホーンとのつながりをスムーズにした。



 

  ユニット穴をあける。



 

  穴あけ完了!



 

  フラミンゴヘッド完成!



 

  スワンヘッドにターミナルを取り付ける。



 

  16センチヘッドの製作。



 

  ヘッド3部作完成!



 

  ユニットを取り付ける。



 

  さあ、視聴だあ!





 

  おい、じゃまじゃま。



 

  フラミンゴタイプ(FE88ES)
エイリアンのような外見だ。 ユニットの素性の良さを反映して、極めて繊細な音。 ホーン長330cmは伊達じゃない。低音も十分出る。 よくぞ8cmでここまで鳴るものだと感心。 若干中音部にホーンの残響のような響きが乗るところが残念。 これさえなければ素晴らしい高級スピーカーになるだろう。 鉛ブロックを本体上部に置けばかなり改善されるのではないか。 いやいやFE88ESは素晴らしいユニットだ。 いつか使いこなしたい・・・。



 

  スワンタイプ(FE108ES)
最もバランスの良い音。 ユニットの特性かシャープな音だ。 一聴してハッとさせるものを持っているが、 長く聴くと疲れる。 色気は88ESの方が優れている。 低音はモリモリ出る、というか4畳半の部屋なので出過ぎる。 とにかく迫力があり、もっと大きな部屋で使いこなしたい。



 

  モアタイプ(FE167)
他の2つとは違って、磁力も弱いしローコストなので、 音そのもののクオリティは一番低い。 しかし、やはり16センチ、余裕を感じさせる。 無理なく朗々と鳴っている。 ホーンとのつながりも意外にスムーズな様子。 聴いていて一番疲れない。自然だ。



 

  O'ASISのドラマー、Daiちゃんもやってきた。 彼も面白がってくれた。 鉛ブロック等を活用してさらにチューニングしていきたい。





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